こだわり歴史塾

私が調べた人物の歴史を中心に、歴史の事を書いていきます。

女人入眼の日本国

「入眼」とは、絵を描いた時に最後の仕上げとして、眼を入れることで、そこから転じて、物事の仕上げ成就意味で使われる言葉です。

 

つまり「女人入眼の日本国」とは、「日本国の仕上げるのは女性ですよ」、という言葉で、これは慈円の『愚管抄に出てきます。

 

慈円天台宗の僧で、仏教界のトップといてもいい天台座主に就任しました。そして歴史書愚管抄』を書いた当時の歴史家、思想家としても最高峰の人間でした。

 

 

 

どうも慈円は、この「女人入眼」の問題を深く考えたようです。

 

「女人此国ヲバ入眼スト申伝ヘラルハ是也」

(女人がこの国を仕上げるという言い伝えは、このことである)

 

奈良時代末までの女性天皇が即位をして日本の政治の実権を握っていた、と述べ、

 

 

 

 

 

「女人入眼ノ日本国イヨイヨマコト也ケリト云ベキニヤ」

(日本を女人が仕上げるということは、いよいよ本当の事になったと言うべきではあるまいか)

 

これは鎌倉幕府北条政子と朝廷の藤原兼子という女性政治家たちの活躍を見て述べた言葉です。

 

 

 

 

「女人入眼」慈円はここに日本の底流にある法則を見つけたのでしょう。