鎌倉時代のキャリアウーマン
鎌倉時代はまだまだ女系が強い時代でした。
それを表す一つに乳母(めのと)があります。
乳母とは、高い身分の女性に代わって、その子の世話をする女性の事で、お乳を与えたり、おむつを換える仕事をしていました。
ただそれだけではなく、養育や教育も任されていて、乳母は自分の子以上に大切に育てていました。
そのために、乳母の家族とその子の絆は非常に強いものとなりました。
のちに、その子が成長すると、乳母とその家族を重く用いる事になり、乳母の家系が力を持ち、尊敬され、家族の出世につながりました。
乳母の夫は、「乳母父」と書いて、「めのと」と呼ばれました。
乳母の子は「乳兄弟(ちきょうだい)」「乳母子(めのとご)」と呼ばれ、大人になると重要な部下となります。
平安末期〜鎌倉時代まで、政治史の舞台には数多くの乳母が登場します。