出家する武士たち
平安末から鎌倉時代には、多くの武士達が出家していった。
この時代の仏教運動を進めた僧たちも武士出身者が多く、名前を挙げると、
浄土宗の開祖・法然。
時宗の開祖・一遍。
理由は色々とあり、飢饉や疫病、合戦、末法思想などであった。
そのうちの一つには、鎌倉時代には幕府ができ、武士の生き方が組織化されるにつれて、それに失望する武士たちも出てきたのです。
有名なのが、熊谷次郎直実です。
直実は、『平家物語』の平敦盛を討った一ノ谷の合戦シーンで有名で、輝かしい軍功を持つ東国の御家人です。
鶴岡八幡宮の放生会の、流鏑馬で命じられた「的立役」が不服で頼朝に抗議をした。それが原因で所領が減らされます。
さらに5年後、所領問題で頼朝の裁定に不満をもち出家してしまいました。